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【潜入! 馬運車会社】「ホスピタリティの塊…」── 佑介騎手も舌を巻く“鷹野の馬運車”に隠された秘密とは/最終回

  • 2025年06月04日(水) 18時01分
“with佑”

▲佑介騎手の馬運車会社潜入企画も最終回(c)netkeiba


『with佑』番外編として、佑介騎手が競馬開催に欠かせない重要な役割を担う鷹野運送株式会社の代表取締役・鷹野衛さんにお話を伺う企画をお届けしています。最終回となる今回の話題は「馬運車の車体に隠された秘密」について。

車体選びは各メーカーを徹底的に比較し、また車内の設備も独自に特許技術を採用した設備の開発をするなど馬にもドライバーにも優しい車内環境を追及しているという鷹野運送。「安全に運ぶのは当たり前で、プラスαの空間を提供することが使命」という老舗の企業努力に佑介騎手も「ホスピタリティの塊ですね」と舌を巻きます。昨年12月からはあの有名健康機器メーカーの最先端技術も採用するなど、日々進化が止まらない鷹野運送の馬運車に隠された秘密に迫ります──。

(取材・構成=不破由妃子)


佑介 鷹野運送さんは、関西圏における馬運車会社において“一強”とも言われる老舗ですが、基本構造や設備など、やはり他社さんとの違いはあるんですか?

鷹野 まず、基本構造の馬運車というのは、トラックベースの車種を使っています。あとは、どこのメーカーを使うかなんですけど、国内のトラックで4大メーカーと言われるのが、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそう、UDトラックスの4社。かつては日野自動車の車種が多くて、鷹野運送もそうだったんですけど、12年前からはいすゞの車種を主にしています。なぜかというと、まずエンジン音が静か。あとは、ほかのメーカーと比較して、エアサス機能のレベルが高いんです。

佑介 クッション性能が高いということですか?

鷹野 そうですね。ちょっとマニアックな話になるんですけど、馬運車というのはタイヤとホイールが全部で12本付いていて、ハンドルを切ったら、前の1軸目と2軸目は一緒に切れるんです。これで舵取りをするんですけど、重要なのは後ろの3軸目と4軸目で、ここが横揺れや縦揺れに対する強さなどに大きく関わってくるんですけど、いすゞ以外の3大メーカーは3軸目と4軸目がくっ付いているというか、一緒に動くんですよ。だから横揺れが大きい。

佑介 なんとなくイメージできます。

鷹野 その点、いすゞに関しては、3軸目の左と右、4軸目の左と右が全部バラバラに動く。だから、横揺れを修正するのが早いんです。横揺れが大きいと馬の脚に負担が掛かるし、我々ドライバーにとってもストレスになるので、この点は非常に大きいですね。

 さらにエンジン音が静かということは、馬がいる空間はもちろん、客室の音や振動も少なくなる。これらの理由でいすゞに行きついて、今はほとんどの車両をいすゞに代えています。

佑介 鷹野運送さんならではの設備もあるんですか?

鷹野 うちにしかない設備は、

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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