見事39万超えの払い戻し
『ウマい馬券』で活躍するプロ予想家たちが、会心の的中を振り返る「予想の頭脳」。今回取りあげるのは、スプリンターズステークスを的中させた「芝しばお」氏。波乱となった一戦を、どのようなアプローチで攻略したのか……。本人自ら綴っていただきました!
対象レース:
2024年9月29日(日)中山11R スプリンターズS 当コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。芝特化型予想家の芝しばおと申します。僭越ながら今回のスプリンターズステークスの予想方法をご紹介させていただきたいと思います。
「芝しばお」氏
といっても、GIレースだからといって普段のレースとやることは変わりません。
1.各馬の能力算出
2.展開予想
3.買い目選定
の順に僕がどのようなことを考えながら予想をしているのかを書き連ねていきますので、少しでもお楽しみいただければ嬉しい限りです。
いつもの予想記事とは勝手が違うのでキャラが定まっておりませんが暫しお付き合いいただければと思います。
1.各馬の能力算出 競馬予想をするうえで必須事項だと思いますが、予想する人の好みや精度によってかなりバラつきが出る要素といえます。僕はここに最も時間をかけており、自身の最大の武器だと考えています。予想家さんの多くは独自の指数を持っていますが、僕は0.1秒単位で各馬のベストレースから想定タイムを算出しています。(詳しくは
プロフィールをご覧ください)
↓以下実践↓
オオバンブルマイなら前走キーンランドCがベストレースで想定タイムは1.07.7。しかしラスト1ハロン11.4のラップをかなり追い上げており余力があるため+αが見込め、最大で1.07.5。(最大とは差しが決まる展開や馬群を捌ければ、といった条件が整えばという意味)
こんな感じで補正込みで算出し、想定タイム(能力)順に並べると…
ルガル1.07.2(シルクロードS)
トウシンマカオ1.07.3(京阪杯)
サトノレーヴ1.07.4(キーンランドC)
ナムラクレア1.07.4(※1.2023スプリンターズS)
オオバンブルマイ1.07.5(キーンランドC)
※2.ママコチャ1.07.5(2023スプリンターズS)
ウインマーベル1.07.5(阪神C)
マッドクール1.07.6(2023スプリンターズS)
※3.外国馬2頭(1.07.7くらいありそう)
以下省略
※1.2023スプリンターズSが結果通りではないのは馬場補正
※2.ママコチャの安土城Sは滅茶苦茶強いが、舞台が違い過ぎるうえ1200mのサンプルが十分にあるので除外
※3.外国馬は勘弁して下さい
古馬GIともなるとサンプルが十分なことが多く、この作業は楽になります。なので2、3歳限定戦など、サンプルが足りない馬が多いレースは違う角度から攻めることになるのですが、それはまたの機会に。
2.展開予想 上の能力差を見ていただければ分かるように能力に大きな差があることは少ないです。ハナ差決着が当たり前の競馬において展開が能力差をひっくり返すのは日常茶飯事。これもかなり重要な作業ですが、どこまでいっても想像の域を脱することはありません。陣営のコメント、馬の適性や気性、騎手の性格などから推測しますが、展開は決めつけ過ぎないようにするのが吉と考えています。
↓以下実践↓
ピューロマジックの陣営がなにやら控えそうなコメント。もし控えるならビクターザウィナーが逃げて高松宮記念みたいに遅くなりそう。大外のウイングレイテストがハナにくれば速くなるけど、函館スプリントSで逃げなくても競馬できてるしなー。でも内枠が伸びてるから内ラチ沿いを取りたいやろなー。じゃあ高松宮記念ほどではないけどスロー寄りかな。じゃあオオバンブルマイはたぶん最後方やから届かんな。かわりに前目のマッドクール入れとくか。
こんな感じの流れで展開を予想し、想定タイムは前半33.4-後半34.2の1.07.6と予想しました。
※能力算出での想定タイムはM〜Hペースで各馬の能力を出し切った際のタイムなので、スローペースだと差異が生じます。
ちなみに距離を問わず前傾ラップだとハイペースと記載されることが多いですが、1200mならほぼ前傾ラップになるので僕はこれくらいならスローペースと考えています。
さて、展開予想も終わり最後は大事な大事な買い目です。今回は展開と馬場から前目有利の予想ですが、スローペースと決めつけずに後ろの馬もある程度は抑えるようにします。
3.買い目選定・いくらにしたいのか
・不確定要素をどこまでカバーするか
・自分の予想に沿った買い方をする
以上3点を常に考えながら買い目を決めていきます。
↓以下実践↓
今回の本命は単勝20倍台のルガル。穴狙いというわけではなく、一番強いと思う馬が20倍以上付くレースは年に数回しか訪れないビッグチャンスで絶対にはずしたくない。少し広めに買っても数万〜数十万は狙えるので絞り過ぎないようにしよう。
※以下、各券種に至る考え方です。
【◎単勝】
◎ルガルは一番強いうえに前目で展開も向くしオッズも付く。かつ紐も絶対的な信頼を置けない。調教は動いていたが骨折明けで惨敗の可能性も考慮すると連軸という感じではない。
【◎◯ワイド】
そこそこの確率で◎ルガルに先着しそうなのは◯トウシンマカオと▲サトノレーヴ。馬単も買っているが▲サトノレーヴが1着に来てしまうとせっかくの穴馬ルガルが台無し。じゃあワイドで払い戻し上乗せ、かつ不利や外国馬の激走といった不確定要素のカバーもしよう。
【◎◯▲馬単ボックス】
これが本線。◎ルガルが勝つ想定だが、◯▲のどちらかは逆転があり得る。単勝のカバー、かつ払い戻し上乗せ、かつ◎ルガルがとんでも最悪プラスになる。人気のない方が上位の予想なので馬連各1000円よりも馬単各500円の方が期待値が高い。
【◎三連複流し】
不確定要素のカバー、かつ▲サトノレーヴがとぶことも想定しているのでオッズに期待できる。ただ、切った馬の台頭があってもおかしくないメンバーだったので強気に買ったわけではなく保険の意味合いが大きい。
こんな感じでいろんな買い方をしましたが、金額と当たりやすさのバランスをどう考えるかは人それぞれ。僕と同じ予想結果になっても複勝のみだった人はリターンが小さいし、三連単を買った人は大儲けしているかもしれませんし、三連複や三連単の1点買いみたいな人ははずれているでしょう。
僕は自身の買い方に自信を持っていますが正解はないとも思っています。僕の予想を見てくださった方々、皆さまそれぞれが好きな買い方で競馬を楽しんでくだされば幸いです。
レースを振り返って「運が良かった」というのが素直な気持ちです。ピューロマジックが暴走したのが想定外でハイペースになったが、それが功を奏し馬群がばらけてトウシンマカオの最高の騎乗に繋がりました。ただ、ルガルがシルクロードSで強い競馬ができた理由や能力値を明確に分析できていたのは自慢させていだだきたいと思います(笑)。
最後に こんな長い素人の文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。また、いつも予想をご購入いただいております皆さま、本当に感謝しております。お気に入り登録やウマい! を押して下さる方も励みになっております。今後も皆さまに継続して興味を持って応援していただけるよう精進して参りますのでよろしくお願いいたします。
(芝しばお)
今回解説の予想結果は
こちら。