【紫苑S予想】変化しつつある血統 ボンドガールの距離延長はいかに
“強敵”の回避で人気集中、高レベルな3歳世代で相手難解
紫苑Sがオープン特別からGIII重賞に昇格したのは2016年から。2023年からはGIIとなった。最近10年の秋華賞では、紫苑S出走馬が(重賞ではなかった当時を含め)、2022年のスタニングローズを筆頭に「8頭」も本番で連対している。重要度はローズSとほぼ互角になった。
今年は7月のクイーンS(2000年から古馬牝馬の重賞)で3歳馬コガネノソラ、ボンドガールが初めて1着、2着するなど、3歳牝馬全体のレベルはかなり高いので、本番の秋華賞と結びつくかなんともいえないが、可能性を秘める馬は多い。
ボンドガール(父ダイワメジャー)は2023年6月の新馬戦で(すでに上位9頭までが勝ち馬)、のちのオークス馬チェルヴィニア、今回対戦するガジュノリ(父サトノダイヤモンド)に勝っている。クイーンSの内容から早熟型ではなかった。近年のダイワメジャー産駒は距離適性の幅も少し広くなっている。4分の3同血の兄ダノンベルーガ(父ハーツクライ)とはタイプが違うが、中山の2000mはこなせるだろう。強敵と思えたカンティアーモが回避し、ここは人気の中心ボンドガールを巡る争いになる。ただし、相手は一長一短、2番手以下の人気は大きく割れる。
先行馬が多い展開に注目して、妙味ある相手の筆頭はホーエリート(父ルーラーシップ)。ファミリーには短距離型が多いが、この馬は母の父ステイゴールド。3月のフラワーCでは巧みにインから伸びたミアネーロ(父ドゥラメンテ)に0秒1だけ負けたが、こちらは4コーナーでかなり外に回ったコースロスが痛かった。ゴール寸前の伸び脚では上回っていた印象がある。
2番手以下はほとんど差がなく手は広がるが、穴馬は距離延びて良さが生きるはずの上昇馬ガジュノリ。調教での動きが目立ってスムーズだった。さらに穴馬なら、前回は初めて置かれる展開になりフラつき通しでまったくレースをしていないバランスダンサー(父エピファネイア)。秋に本格化したタレンティドガールの一族だ。